犬にとっての「反省」とは?
叱られた人間が反省するように、犬にも「反省」があります。ここでは、犬にとっての反省について解説します。
犬の反省は人間とは異なる
犬は、飼い主の様子がいつもと違うことに気付き、自分が叱られていることを理解することができます。
しかし、叱られていることは理解できても、「早くこの時間が終わってほしい」という心理につながり、結果として反省につながらない場合もあります。
また、叱られた犬は反省しているようなポーズを取ることがあります。その様子を見た飼い主さんが叱ることをやめてしまうと、「こうすれば叱るのをやめてもらえる」と学習してしまうこともあります。
また、叱られた記憶は短期記憶であるため、人間のように過去の過ちを振り返ることはしません。そのため、叱られていることが理解できない場合と同じように、同じ失敗を繰り返してしまうことがあります。
反省していないように見えるとき
反省のポーズをとるのとは対照的に、まったく反省のポーズをとらない犬もいます。しかし、実はしっかり飼い主さんのいうことを学習して、反省している場合も多々あります。
犬は同じ失敗を何度も繰り返してしまうため、人間からみると、一切反省していないように感じる場合があります。その場合でも、実はしっかりと反省している場合もあるため、よく観察する必要があるでしょう。
反省している犬の様子の例
犬が本当に反省している場合、どのような様子になるのでしょうか、ここでは反省している犬の様子の例を紹介します。
あくびをする
犬は、大きなストレスを感じたとき、自分自身を落ち着かせようとする転移行動をします。転移行動のひとつが「あくび」です。
叱られている最中にあくびをすると、きちんと聞いていないように思えるため、さらに叱ってしまう場合があります。しかし実際には、「早くこの時間が終わってほしい」という状態になりかけているため、いくら叱っても反省にはつながりません。
犬があくびをしたら、それ以上叱らないほうがいいでしょう。
目をそらす
人間も、ばつが悪いときに目をそらすものですが、犬の場合も同様のことがいえます。犬の場合、視線をはずすということは、気まずい気持ちになっている証拠です。叱られていることを理解しているため、飼い主さんをみることができなくなっているのです。
目をそらすことは、あくびと同様に、自分自身を落ち着かせるための行動のひとつでもあります。
お腹を見せる
動物にとってお腹を見せる行為は、「降参」「服従」の意思の表れです。これは犬にとっても同様であり、犬はお腹を見せることで「もうわかったからこれ以上叱らないでください」と訴えかけているのです。
とはいえ、「降参」してしまうと、叱った内容を学習したというよりも、「怖い想いをした」という短期記憶になってしまうもの。叱るたびにお腹を見せるようであれば、叱る勢いを抑えるといいでしょう。
手を舐める
犬は、叱っている最中に飼い主の手を舐めてくることがあります。これは、甘えてきているのではなく、「ごめんなさい」「自分が悪かったです」という気持ちがある証拠であり、叱られていることをはっきりと自覚している状態です。
しかし、犬は過去を振り返ることはしないため、留守中のいたずらなどを時間差で叱られても理解できません。謝罪ではあるものの、必ずしも過ちを理解しているわけではなく「悪かったからもう怒らないで」という合図だと判断しましょう。
うつむいて地面の匂いを嗅ぐ
叱っている最中に、犬がうつむいて地面の匂いをかぎはじめることもあります。これは、決して飼い主さんを無視しているわけではなく、自分が怒られている自覚はしっかりともっている状態と思っていいでしょう。
しょんぼりと反省しているようにも見えますが、あくびや目をそらすのと同様に「怒られて怖い」「お互いに落ち着こう」という心理が働いているだけで、必ずしも反省しているわけではありません。
身震いをする
叱られている最中に犬が何度も身ぶるいをするときがあります。これは「もう勘弁してほしい」という気持ちのサインです。あくびなどと同様に、自分を落ち着かせるための転移行動のひとつといえます。ストレスが大きくなっているサインでもあるため、このまま叱りつづけると、別の困り行動に発展する場合もあります。
何度も身ぶるいをするようなら、それ以上叱るのをやめたほうがいいでしょう。
反省をうながす効果的な犬の叱り方
犬は、叱られているとき反省しているようなポーズをとりますが、実際に反省をしているわけではなく「ごめんなさい」「もう叱らないでください」という心理が働いた上でのしぐさにすぎません。
ここでは、そのようなしぐさを見極め、効率的に反省をうながすための叱り方を紹介します。
ポイント1:すぐに叱る
犬を叱るときに大事なポイントは、「叱るタイミング」です。犬は過去のことを振り返ることができません。そのため、何かいたずらをしてから叱るまでの時間があいてしまうと、叱られていることは理解していても、叱られている理由を理解することができないのです。
たとえば、留守中にいたずらをしてしまった場合、飼い主さんが家に帰ってきてから叱っても、犬自身はどうして叱られているのかわからず、ただただ「もう怒らないでください」という意思のしぐさをすることしかできません。
そうなると、いくら叱っても犬はストレスを感じるばかりで反省することはありません。犬を叱る際には、その瞬間その場で叱ることが重要です。
ポイント2:短い言葉で低音で短く𠮟る
犬を叱るとき、感情が高ぶって声が甲高くなってしまったり、「コラッ!○○ッ!」と名前を呼んでしまう場合があります。
しかし、これは逆効果になる恐れがあるため控えたほうがいいでしょう。高い音域は喜んでいるときにも発せられる音域であり、犬が「飼い主さんが喜んでいる」と勘違いしてしまう可能性があるからです。
名前を呼ぶことも、散歩にいくときやエサを食べるときなど、うれしいことが起こるタイミングのことが多いため、さらに勘違いを助長してしまいます。
犬を叱るときは、犬の苦手な低い音域で名前を呼ばずに叱ることを意識しましょう。また、長々と叱ると犬に大きなストレスを与えてしまうため、低く短く叱ることが重要です。
ポイント3:犬の性格に合わせて叱る
人間にも性格があるように、犬にもそれぞれ性格があり、性格にあわせて叱ることでより効果的なしつけをすることができます。
たとえば、ポジティブなタイプの犬は普通に叱っても自分が叱られていると判断しない場合があります。その場合は、無視することで普段と違う態度をみせれば、自分が叱られていると理解することができるでしょう。
また、繊細で臆病なタイプの犬の場合、激しく叱ると萎縮してストレスになってしまいます。そのため、激しく叱るのではなく、控えめに叱るようにしましょう。
叱り方として、家族それぞれが別の基準を持って叱ると、犬が混乱してしまいます。犬をしつけるときは家族全員が同じ基準で叱るようにしましょう。また、しつけるときは叩くことも避けてください。
叱りすぎには注意
過去の記憶を思い出さない犬は、長時間叱っても意味がありません。叱るときは、短時間で叱るようにしましょう。無視するときも同様です。自分が無視されている理由がわからなくならないよう、短時間で済ますようにしましょう。
まとめ
犬にとって叱られたという記憶は短期記憶であるため、叱られていることは理解していても反省に結びつかない場合があります。そのため、あくびや目をそらすなどの犬のしぐさをよく観察し、短時間で叱る必要があります。
叱ったからといってすぐに学習するとは限らないため、いたずらに耐えられる家に住むこともおすすめです。
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