目次
犬のお風呂の目的とは
犬は定期的にお風呂に入れることが大切です。犬をお風呂に入れる目的を解説します。
皮膚炎を防ぐ
犬をお風呂に入れる目的のひとつは、皮膚炎の防止です。犬も人間と同じように、日常生活の中で皮膚に古い角質や皮脂などがたまります。この汚れが、人間よりも薄くてデリケートな犬の皮膚を傷つけ、ふけやかゆみ、皮膚炎を引き起こします。犬を定期的にお風呂に入れてシャンプーすることで、皮膚炎を防ぐことが可能です。
汚れやニオイをとる
ふたつ目の目的は、汚れやニオイをとることです。皮膚に汚れがたまると細菌が繁殖し、皮膚炎の原因となるだけでなくニオイのもとにもなります。犬を定期的にお風呂に入れることで、菌の繁殖やニオイを予防することもできます。
犬のお風呂が重要な理由
犬の皮膚は薄くてデリケートなため、汚れが溜まると皮膚炎の原因になります。犬をお風呂に入れることで、皮膚炎などのトラブルを防ぎ、健康を維持することができるので、お風呂に入れることが大切です。飼い主さんがお風呂に入れられる場合でも、定期的にプロのケアを受けることで、よりしっかりと愛犬の健康状態を確認することができるでしょう。
お風呂以外のケアも欠かせない
犬の健康管理には、定期的なお風呂だけでなく、毎日のブラッシングも大切です。ブラッシングによって毛に絡まった汚れを落とすことができます。ブラッシングにはマッサージ効果もあり、皮膚の健康管理にも欠かせません。こまめなブラッシングも忘れないようにしましょう。
犬のお風呂の適切な頻度は?
犬のお風呂は月に1~2回が目安です。屋外で飼っていたり、汚れが多かったりする場合はお風呂の頻度を増やす場合もあります。愛犬の状態に応じて調整しましょう。
犬のお風呂はバスタブでもいいの?
犬をバスタブに入れても、特に問題ありません。バスタブに浅くお湯をはって入れてあげましょう。皮膚炎などでシャンプーの刺激が強い場合は、皮膚によい成分の入浴剤を入れたお湯につからせたり、かけ湯をしたりすることもあります。ただし、感染症の心配がある場合は、愛犬のサイズにあったたらいや犬用のお風呂を用意することをおすすめします。
犬のお風呂はいつから可能?
子犬の初めてのお風呂は、生後2ヶ月の予防接種をしてから2週間後を目安にしましょう。生後間もない子犬は免疫力が低く、体温調節もうまくありません。お風呂に入れることで病気を引き起こす可能性があるため注意してください。
犬をお風呂に入れる手順
犬にあまり負担をかけず効率的に汚れやニオイを落とせるよう、犬をお風呂に入れる際の手順を解説します。
1.事前準備をする
犬のお風呂をスムーズにするため、ブラシや犬用シャンプー&コンディショナー、スポンジ、タオル、ドライヤーなど必要なものを用意し、使いやすい位置に置きます。犬がシャンプーに慣れていない場合は、耳に水が入らないよう、水をはじきやすい素材でできた耳栓をしておくと安心です。
必要な準備ができたら犬をブラッシングして汚れを浮かせ、ほこりを取ります。
2.体を濡らす
体が濡れることを怖がったり、シャワーの音や勢いに驚いたりする犬もいます。犬の様子を確認しながら、お尻、後ろ足、背中、胸、前足と、だんだん顔に近づくように体を濡らします。顔周りはガーゼやスポンジなどで濡らすとよいでしょう。また、シャワーヘッドは犬の体に密着させ、弱めの水圧で濡らすようにしてください。
3.シャンプーをする
犬の体を十分に濡らしたら、泡立てた犬用のシャンプーで洗っていきます。犬の体をマッサージしながら、泡をもみ込むようにシャンプーしていきましょう。洗う順番は、お尻、後ろ足、背中、胸、前足、顔と、体を濡らすのと同じ順番です。顔周りを洗う際は目や鼻に泡が入らないよう注意し、泡をのせたスポンジでなでるように洗っていくとよいでしょう。
4.すすぐ
シャンプーと逆の順番ですすぎます。敏感な顔周りや頭から先にすすいでいきましょう。体に泡が残っていると、皮膚炎やかゆみなどトラブルの原因になってしまいます。ぬるぬるした感触がなくなるまで、時間をかけてしっかりすすいでください。
5.水気をよく切る
十分にすすいでシャンプーを流したら、タオルで水気を拭き取ります。犬の体を強くこすりすぎないよう気をつけながら、背中からお腹へなでるように拭いていきましょう。耳や尻尾、足などは、優しく握って水を切ります。しっかり水気を取ることで、ドライヤーの時間が短縮できます。
6.ドライヤーで乾かす
できるだけタオルで水気を拭くことができたら、ドライヤーでしっかり乾かします。ブラシなどで毛をわけながら、根元までしっかり乾かしましょう。体が濡れたままにしておくと、皮膚炎や体温低下による病気などを引き起こす可能性があります。自然乾燥は乾くまでに時間がかかるため、タオルとドライヤーで素早く乾かしましょう。
犬をお風呂に入れるときに注意すべきこと
犬をお風呂に入れる際、気をつけておいたほうがよいポイントがあります。犬のお風呂の注意点を解説します。
ぬるめの温度で洗う
犬をお風呂に入れる際は、36~38度のぬるめが適温といわれています。この温度を目安として、季節によってすこし調節するとよいでしょう。体温調節が苦手な犬は、熱いお湯で熱中症を引き起こす可能性があるため、温度設定に注意してください。
優しく洗う
犬の皮膚はデリケートです。優しく洗うようにしましょう。汚れを取ろうと思って強く洗うと、皮脂を取り過ぎてしまい乾燥を招きます。爪を立てて洗うと、皮膚を傷つける恐れもあります。また、毛を揉んで洗うと毛がもつれてしまいます。強い刺激を与えないよう気をつけながら、優しくなでるように洗ってください。
食事の前後のお風呂は避ける
胃腸に負担をかけないよう、食事の前後はお風呂に入れないようにしてください。特に食後は、1時間ほどあけてからお風呂に入れるようにしましょう。食後すぐにお風呂に入れると、胃腸の血液循環が滞って消化不良につながります。
シャワーヘッドを体に近づける
シャワーを使って体を濡らしたり泡をすすいだりする際は、水音や水圧で犬を怖がらせることがないよう、できるだけ犬の体にシャワーヘッドを近づけて使うようにしましょう。水の勢いは、弱めにしたほうが犬にとって安心です。
顔の周りはガーゼを使って洗う
犬の顔まわりを洗う際は直接シャワーをあてるのではなく、ガーゼやスポンジなどを使いましょう。泡をのせたスポンジで優しくなで洗いし、目や鼻にお湯や泡が入らないよう気をつけながら、お湯を含んだガーゼやスポンジで洗い流します。
ドライヤーは「弱」で使用し、目は避ける
ドライヤーを近づけすぎたり、風が強かったりすると、熱すぎて犬がやけどしてしまう可能性があります。風は「弱」に設定し、30cmほど離して使用するようにしましょう。また、ドライヤーを振りながら使用すると乾きムラが出てしまいます。ブラシでとかしながら、ドライヤーを振らずにあてるようにしましょう。
耳の中の水気も拭く
耳の中に水が入ってしまった場合は、耳を傷つけないよう気をつけつつ、耳の手前から順番に、優しく拭き取っていきましょう。耳の中を濡れたままにしておくと、外耳炎などの病気を引き起こす可能性があります。
濡れた床で滑らないように注意する
床の材質によっては、濡れると滑りやすくなることがあります。タオルやバスマットを用意して、滑らないような環境を整えましょう。濡れた床で滑ると、思わぬけがをしたり、腰や股関節に負担をかけたりする可能性があります。
お風呂に慣れていない犬はどうする?
犬がお風呂に慣れていない場合は、「何が苦手なのか」を見極めながら対応していきましょう。
- 水に慣れていない場合…たらいなどに浅く水をはって水遊びをしながら慣らします。
- 濡れることやシャンプーが苦手な場合…ドライシャンプーを使い、シャンプーに慣らすことから始めましょう。
- シャワーやドライヤーの音が苦手な場合…シャワーヘッドを近づけて使ったり、かけ湯にしたりなど、使い方を工夫します。できるだけタオルで水気を取り、ドライヤーの使用時間を短縮するのもよいでしょう。
声かけやスキンシップを心がけながら、お風呂に慣らしてください。
まとめ
犬の体を清潔に保つことで、皮膚炎やニオイを予防できます。月1~2回を目安に、お風呂に入れてあげるようにしましょう。お風呂に入れる際は、濡れた床で滑って腰や股関節を痛めないよう、タオルやバスマットで滑り止めをしてください。また、居室内が滑りやすい場合も対処が必要です。
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