犬がドッグフードを食べない時に考えられる原因や対処法を解説

犬がドッグフードを突然食べなくなると、体調不良や病気を疑ったり、心配になったりする飼い主さんは多いです。犬がドッグフードを食べないときは、原因にあわせた適切な対処をしましょう。この記事では犬がドッグフードを食べないときの原因と対処法、注意すべきことを解説します。犬がドッグフードを食べず悩んでいる飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。

犬がドッグフードを食べない原因として考えられることは?

犬がドッグフードを食べない背景には、いろいろな原因があります。適切に対処するために知っておきたい、犬がドッグフードを食べない原因を解説します。

体調が悪い

犬がドッグフードを突然食べなくなった場合、まず原因として体調不良を疑いましょう。お腹が痛い、気分がすぐれない、歯が痛い、生理前後などが原因で食欲が落ちることがあります。特に、消化器系に不調が出るとドッグフードを食べなくなる犬が多いです。

犬の体調不良にどのようなものがあるかは、「犬が食事をとれない時に注意すること」でも詳しく解説します。

年齢によるもの

シニア犬を飼っている場合、食欲が落ちるのは老化のサインでもあります。犬は成長とともに体重あたりの食事量は減っていきます。子犬から成犬へ成長していく過程では体重増加とともにと食べるフードの量が増えますが、徐々に食べるフードの量は減っていきます。

老化で食欲不振になる原因は、次のとおりです。

  • 1日あたりに必要な運動量が減るため摂取カロリーも減る
  • 味覚や嗅覚が衰えた
  • 歯や歯茎が衰えて固い物が食べられなくなった
  • 頑固になった など

一時的なストレス

犬が一時的なストレスを感じている場合も、ドッグフードを食べなくなることがあります。一時的なストレスにはどのようなものがあるかを解説します。

季節や環境の変化

夏や冬の温度の変化、引っ越しなどで環境が変わったことなどがストレスとなり、食事の量が減ってしまうことがあります。本来犬は外で暮らす動物であるため、冬はエネルギーを蓄えるためにたくさん食べます。夏の食欲は冬に比べると自然と落ちますが、夏バテで食欲がない場合もあるため、しっかり犬の状態を見極めましょう。

引っ越し以外にも、以下のような環境変化がストレスになることもあります。

  • 部屋を模様替えした
  • 飼い主さんとのコミュニケーション不足
  • 飼い主さんや家族と離れた
  • 家族やペットが増えた
  • ほかの犬に会った、知らない場所に行ったなどの刺激があった
  • 家族の喧嘩や不仲
  • 大きな物音、地震、雷など怖い体験をした
  • ペットホテルに預けられていて寂しかった
  • 加齢による体調不良や疾患から不安を感じる など

運動不足

運動不足になると消費カロリーが減ることに加えて、犬がストレスを感じてさらに食欲が落ちることがあります。たとえば、天候不良が続いて散歩にしばらく行けていない場合、ストレスからドッグフードを食べなくなる可能性があります。

おやつの食べ過ぎ

食事をあげる直前におやつをあげてしまった場合、お腹がいっぱいで主食のドッグフードを食べることができなくなります。おやつをあげる時間や、量をあげすぎていないかを確認してみましょう。

偏食になってしまっている

おやつや人間の食事は食べるのにドッグフードだけ食べない、という場合は犬の味覚が偏ってしまっている可能性があります。ついおやつをあげすぎたり、犬が欲しがるため人間の食事を与えたりすると、犬は濃い味付けや香りに慣れてしまうため、ドッグフードを食べなくなります。

犬がおやつや人間の食事を食べ過ぎることで起きるリスクは、「犬が食事をとれない時に注意すること」でも解説しています。

新しいドッグフードに対して警戒している

子犬から成犬への成長にともなう際など、ドッグフードをこれまでと違うものに切り替えることがあります。新しいドッグフードは今までのドッグフードと香りが異なるため、警戒心から食べるのをためらってしまうことがあります。

飼い主さんへの甘えやわがまま

体調不良や老化、成長、ストレス、偏食、食べすぎ、さらにドッグフードも替えていない場合は飼い主さんに対して甘えやわがままからドッグフードを食べないことがあります。犬が、かまってほしい、遊んでほしいなどの気持ちを持っています。

犬がドッグフードを食べない時の対処法

犬がドッグフードを食べない場合、原因を取り除いてあげることが重要です。犬がドッグフードを食べないときの対処法を解説します。

体調不良やストレスの原因を取り除く

お腹が痛い、歯が痛いなど体調不良が疑われる場合は早めに動物病院へ行きましょう。ストレスが原因として疑われる場合は、ストレスの原因を取り除くことが重要です。原因にあわせて以下のように対処しましょう。

  • 暑さ寒さによるストレスは犬にあわせて室温を調節する
  • 騒音が気になる場合には防音対策をする
  • 模様替えや引っ越しなどで環境が変わった場合は、快適な環境に整える
  • 飼い主と離れていた場合は一緒に遊んであげる
  • 運動不足が原因の場合には室内でも運動できる環境を整える

犬が室内でも運動できる環境を整えれば、天候不良などによる運動不足や散歩不足を解消できます。室内の床が滑りやすく犬にとって動きづらい場合もあるので、犬にあわせて床などの環境を見直すことも重要です。

おやつをあげすぎないようにする

おやつの量やあげる時間を見直してみましょう。しつけやトレーニングでおやつをあげる場合は、細かくしてあげるなどあげすぎない工夫をすることが重要です。また、主食の直前にあげるのはひかえましょう。

おやつは主食のドッグフードほど栄養がないだけでなく、糖分が多いため肥満にもつながってしまいます。あげすぎには注意しましょう。

ドッグフードに工夫をする

新しいフードに切り替えたときや、老化などでドッグフードを食べなくなった場合には、犬が食べやすいようにドッグフードに工夫することが有効です。

成長に伴うドッグフードの種類変更は、時間をかけて切り替える

子犬から成犬用にするなど、成長にともなってドッグフードを切り替える場合には時間をかけるようにしましょう。いきなり新しいドッグフードにすると、犬は警戒して食べないことがあります。まずは今までのドッグフードと新しいドッグフードの両方を出すようにします。

1週間から10日をかけて、少しずつ新しいドッグフードの量を増やしていく方法が有効です。

どうしても同じドッグフードを食べない場合には、種類を変えてみる

おやつや人間の食事に慣れて一時的に偏食になった場合、同じドッグフードをあげ続けていると食べるようになることが多いです。ただし、どうしても同じドッグフードを食べなくなってしまった場合は犬の好みにドッグフードがあっていない場合があります。ドライフードをウェットフードにするなど、ドッグフードの種類を変えてみましょう。

また、子犬から成犬へ成長する過程で食事の勢いが落ち着く時期があります。そのため、犬の好みにドッグフードにあっていないのか、それとも成長にともなう生理的な食事量の減少かどうかを見極めることが重要です。頻繁にドッグフードを変えてしまうと、逆に犬が飽きっぽい性格になってしまうことがあります。

やわらかくしたり、トッピングしてみたりする

犬も人間と同じく、味や香り、食感などの好みがあります。犬が食べやすいようにドッグフードを工夫してみましょう。ドッグフードを工夫する方法には以下のものがあります。

  • ペースト状にする
  • ミルクをかける、ふやかす
  • 芋をまぜる
  • 缶詰をまぜる
  • 市販のトッピングやふりかけを使う
  • ぬるま湯でふやかす
  • かつお節を使う

ぬるま湯でふやかす方法は、やわらかくなって食べやすくなるだけでなく、香りが強くなることで食欲がわく効果もあります。また、かつお節の香りは犬にも人気があるため、食欲が増す場合があります。

食事のあげかたを変えてみる

ドッグフードの種類を変えたり、工夫したりするだけでなく食事のあげかたを変えることも有効です。犬がドッグフードを食べないときに試してみたい、食事のあげかたを解説します。

手であげてみたり、食器類を変えてみる

食器からではなく飼い主の手からあげてみる、または使っている食器を変えてみる方法があります。犬に病気による不安や、飼い主と離れて寂しいなどのストレスがある場合には、飼い主の手からあげると安心し、食べる場合があります。ただし、いつも手からあげてしまうと食器類から食べなくなってしまうため、病気のときだけなど限定的な方法と考えておきましょう。

新しいフードに変えたときなどは、食器類を変えることで気分が変わって食べるようになることがあります。

食事中、優しく声掛けをしてあげる

食事中にやさしく声掛けをしたり、食べたら褒めてあげたりする方法も有効です。もともと食が細い犬や、加齢によって食欲が減った犬は、声掛けをすると頑張って食べることがあります。ドッグフードは食べないけれどおやつは食べる、というときにはドッグフードをあげるときとおやつをあげるときに、犬への表情や態度が違っていないかを確認してみましょう。

飼い主さんがおやつをあげるときは笑っていて、ドッグフードをあげるときは厳しい顔をしている、という場合があります。おやつのときと同様、ドッグフードをあげるときも優しい表情や態度にすると、犬は安心して食べるようになる可能性があります。

食べない時は思いきってさげ、次の食事まで様子をみる

体調不良などはなく元気で、水やおやつは飲み食べする、食事を出しても遊びたがっている場合などには、わがままで食べない可能性があります。食事を食べないときにわがままが原因と疑われる場合は、思い切ってドッグフードを一度下げて次の食事まで様子をみましょう。

食べないと次まで食事ができないことを犬が学習するため、次の食事ではドッグフードを食べるようになる可能性があります。

犬が食事をとれない時に注意すること

犬がドッグフードを食べない場合、裏には病気や怪我が隠れていることがあります。犬が食事をとれないときに注意すること、やるべきことを解説します。

思いがけない病気や怪我をしていないか様子をよく観察し、場合によっては早めに動物病院を受診する

犬が食事をとれないときは、まず様子を観察してみましょう。いつもよりおとなしい、ぐったりしている場合は病気や怪我をしている可能性もあります。以下の様子にあてはまるものがないかをチェックしてみましょう。

  • 水は飲めているか
  • お腹や歯を痛がるなどほかに不調のある場所はないか
  • 呼吸が早くなっていないか
  • 咳込みや呼吸困難はないか
  • 口臭が強くなっていないか
  • おしっこの色はいつもと同じか
  • 便秘や下痢になっていないか
  • 嘔吐していないか
  • 鼻水が出ていないか
  • かゆがっている様子はないか
  • 毛が抜けていないか

特に子犬やシニア犬は免疫力が弱いため、感染症などにかかると症状が悪化しやすいです。シニア犬は加齢により食欲が落ちることはありますが、病気にかかりやすい年代でもあります。いつもと様子が違う場合は、早めに動物病院を受診するようにしましょう。

考えられる体調不良の原因にどのようなものがあるか

考えられる体調不良の原因には、以下のものがあります。

  • 便秘、下痢、嘔吐、胃腸炎
  • 目の充血
  • くしゃみ・鼻水・咳など
  • 細菌やウイルス、寄生虫、カビなどによる感染症
  • 歯茎の腫れやただれ
  • 糖尿病
  • いびき
  • 喘鳴
  • 肉球の怪我
  • 虫刺され
  • アレルギーからくるかゆみ
  • 骨折
  • 熱中症
  • 心臓病
  • 甲状腺機能低下症 など

おやつや人間の食事に慣れすぎて、知らず知らず病気になっていないか注意

犬がおやつや人間の食事に慣れてしまうことで、知らないうちに病気になっている可能性がああります。おやつや人間の食事はドッグフードよりも糖分や塩分が多いため、おやつや人間の食事ばかり食べていると肥満になるだけではなく、病気にかかることもあるため注意が必要です。

さらに、犬は消化スピードや体質も人間とは異なります。人間の食事をあげていると、犬にとっては中毒となる食材も知らないうちに食べさせていることもあります。たとえばハンバーグに入っている玉ねぎは、犬にとっては中毒となる食材です。おやつや人間の食事を犬にあげるときには、以下の対策が必要です。

  • 玉ねぎなど中毒になる可能性のある食材は使わない
  • 味付けをする前の肉や野菜をあげるようにする
  • 週に何回までとあげる回数を決める
  • 1日の総カロリーの範囲内にする

 

犬がおやつや人間の味に慣れてしまいドッグフードを食べなくなった場合は、一時的な偏食状態です。ドッグフードを食べるようにするには、犬に食事のトレーニングをする必要があります。

まとめ

犬がドッグフードを食べない原因は、体調不良や病気以外にも、ストレス、偏食、わがまま、成長によるもの、新しいフードがあわないなどがあり、原因に応じた対策をするのが重要です。また、体調不良や病気とほかの原因を見極め、必要に応じて動物病院を受診しましょう。

運動不足によってドッグフードを食べない場合は、室内で運動できる環境を整えることも有効です。フロアコーティングの老舗であるエコプロコート株式会社の「愛犬の床」は、犬にも飼い主さんにも快適な床環境が整います。滑りにくく犬を関節炎などから守るだけではなく、フローリングの劣化を防ぐ効果もあります。

愛犬のストレスを取り除く環境づくりにぜひご検討ください。