フローリングで犬に起こり得る危険
人にとって快適なフローリングは、犬にとって実は危険が多い環境です。ここでは、3つのリスクについて解説します。
滑って筋肉や関節を傷める
犬は歩行時に地面に爪を食い込ませますが、フローリングではそれができません。そのため普通のフローリングでは滑ってしまい、余計な力が足の関節や筋肉にかかって傷めてしまうことがあります。ひどい場合は脱臼や骨折につながりかねません。変なふんばり方をすることで、背骨や腰など他の部分にダメージを与えることもあります。
走ったり飛び降りたりした時にケガをする
椅子やソファーなど高さのある場所から飛び降りたり、飼い主さんに飛びつくためにジャンプしたりした後は、着地時に大きな負荷がかかります。滑りやすいフローリングでは転倒や捻挫などのリスクがあるため要注意です。また、想定外の方向に滑って体勢を崩し、家具の角に体をぶつけてしまうこともあります。
高いところから落ちてケガをする
飼い主さんについていきたいという一心で階段の降り口に愛犬が猛ダッシュ、というようなこともあるでしょう。滑りやすいフローリングでは勢い余って階段に落ちてしまうことが少なくありません。転げ落ちてしまうと大きなケガにつながることもあるため、何らかの対策が必要です。
フローリングで注意したい犬の病気
飼い主さんが知らない間に、フローリングが原因で犬の健康が損なわれていることがあります。ここでは、代表的な症状を解説します。
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)とは、人間の膝の皿にあたる膝蓋骨が、正常な位置からずれてしまう病気です。「パテラ」と呼ばれることもあります。「足が曲がっている」「スキップするように歩く」「横すわりをする」などがあれば、膝蓋骨脱臼かもしれません。小型犬に多い症状のひとつです。
股関節形成不全
股関節形成不全とは、骨盤と大腿骨をつなぐ股関節の形に異常がある状態です。遺伝性の場合もありますが、発育時に無理な力がかかったり、肥満によって負担がかかったりしても発症します。病気のサインは「歩行時に腰が左右に揺れる」「後ろ足を折りたためない」「動くことを嫌がる」などであり、大型犬に多い病気です。
椎間板ヘルニア
椎間板(ついかんばん)ヘルニアは、背骨の椎骨(ついこつ)の間のクッションである椎間板が、無理な運動などによって、すり減って変形した状態です。痛みや麻痺などを引き起こします。椎間板ヘルニアが疑われるのは「歩き方がおかしい」「運動を嫌がる」などの様子がみられるときです。
パグ、ビーグルなど軟骨が変形しやすい「軟骨異栄養症性犬種」やミニチュアダックスフンド、コーギーなど胴が長い犬種がかかりやすい病気です。
関節炎
関節炎は変形性関節炎とも呼ばれ、関節の軟骨がすり減ることから炎症と痛みが起こります。日々のダメージが蓄積されて発症することから、飼い主さんが気づきにくい病気です。一度なってしまうと完治は難しく、負担がかからない環境に変えるなどで愛犬の病気と付き合っていくことになります。早期に治療できれば痛みが軽くなったり運動能力が回復したりします。
レッグ・カルベ・ペルテス病
レッグ・カルベ・ペルテス病は、大腿骨の付け根の血の巡りが悪くなることで壊死してしまう病気です。生後5~11カ月以内で発症しやすく、関節への負担が原因と考えられています。「お尻や太ももを触ると嫌がる」「後ろ足を上げたまま立つ」「びっこを引く」などが発症のサインです。治療するには、多くの場合、外科手術が必要になります。
再発・悪化を予防するためには、関節に負担がかからない環境作りが大切です。
フローリングの危険防止として犬にする対策
さまざまな病気から愛犬を守るには、飼い主さんの予防意識が重要です。ここでは4つの対策を解説します。
肉球の乾燥を防ぐ
地面と違って爪がスパイクにならないフローリングでは、肉球が滑り止めになります。空気が乾燥している冬場は、犬の肉球も乾燥しやすくなるためケアが必要です。散歩の際にアスファルトとこすれてカサカサになることもあります。乾燥を防ぐためには、肉球専用のクリームやジェルを塗ります。ただし、アトピーなどによる乾燥は、獣医師の指示に従ってください。
こまめな爪切りと毛のカットをする
肉球の滑り止めが効くように、肉球周りの毛と爪をこまめにカットすることが大切です。長く伸びた爪は滑ったり床を傷つけたりするだけでなく、溝などに引っ掛かり折れることもあるため、放置しないようにしましょう。最低限、月に1回程度の手入れが欠かせません。
滑り止めがついた靴下を履かせる
犬に滑り止めがついた靴下を履かせる方法もあります。これならばフローリングに加工する必要はありません。ただし、愛犬のストレスになったり、わんぱくな犬の場合はすぐに脱げたりとデメリットもあります。基本的には、爪や肉球の保護用や、シニア犬が滑らず立ち上がるためのものであると考えておきましょう。
滑り止めスプレーを使用する
犬の足に直接、滑り止めをスプレーできる商品も販売されています。長時間の効き目は期待できません、足裏の除菌や保湿などを一緒にできるものもあります。一方、足裏にホコリがつきやすくなることや、舐めとられて効き目がなくなることなどがデメリットです。
危険を防止するためにフローリングに施す対策
愛犬に負担がかからない効果的な方法は、フローリングの環境を変えることです。ここではフローリングの上に敷く素材やコーティング、張替えなどの方法を解説します。
カーペットを敷く
滑り止めやクッション性を上げる対策として手軽な対策は、カーペットを敷くことです。ただし、毛穴がループ状になっていると、犬の爪が引っ掛かる可能性があって危険です。カーペットは手軽に掃除できないため、衛生面で気を使います。クリーニング方法や毛が付きにくい素材かどうかなども検討しましょう。
フロアマットを敷く
愛犬の行動範囲が限定されている場合は、フロアマットが手軽で効果的です。犬が汚したときもサイズが小さなものは、一般的に丸洗いできます。カーペットと同じく爪が引っ掛からない編み方のものを選びましょう。敷き方や裏面の素材によってはフロアマット自体が滑ってしまうことにも注意が必要です。
コルク材を敷く
コルク材は滑り止めになるほか、クッション性も高く防音効果もあります。ただし、カーペットやフロアマットに比べると値段が高い点がデメリットです。また、爪でえぐれてしまいやすいため、特に中・大型犬の場合は定期的な買い替えが必要になるかもしれません。
ジョイントマットを敷く
ジョイントマットは座布団程度の大きさに分割できるため、レイアウトが自由な点がメリットです。万が一粗相や吐き戻してしまった場合も、汚れが付いた部分や傷んだ部分だけ取り外せるため掃除も簡単です。ただし、接合部からゴミやホコリが入り込みやすいため、定期的に外して掃除する必要があります。
滑りにくいフローリングに張り替える
滑りにくいフローリングにリフォームする方法もあります。ペット対応のフローリングには、おしっこなどの染みが付きにくいものや、ひっかき傷に強いものもあります。ただし、一部屋の張り替えで数日はかかるため、簡単にできるものではありません。また、他の方法に比べて費用も高額です。
床をコーティングして滑りにくくする
床をコーティングする方法は、フローリングをそのまま使うため雰囲気を変えず、かつ安価に短期間で滑りにくい床が実現できるおすすめの方法です。ただし、使用するコーディング材の種類や仕上がり、コストなどに差が出るため、信頼できる業者選びが大切です。フロアコーティングは、老舗の「愛犬の床」の利用が安心です。
まとめ
犬にとって意外に危険が多いのが、滑りやすいフローリングです。足回りのケアや床の危険防止を施して、愛犬の健康を守る対策をしていきましょう。
「愛犬の床」は住宅関連のコーティング技術開発・施工に多数の実績を持つ老舗企業です。愛犬の床のフロアコーティングは一般のワックスと違い、滑りにくさはもちろん、高い耐久性が特徴です。表面の汚れを洗剤やスチームモップで落とせ、安心の20年保証付きです。犬の脱臼や骨折のほとんどは家のなかで起きています。対策をして未然にケガを防ぎましょう。
「愛犬の床」は、多数の施工実績があるフロアコーディングの老舗で、見積もりを依頼するのも簡単です。ぜひ一度お試しください。