犬に快適な寝る場所【寝床】が必要な理由
人間が深い眠りと浅い眠りを繰り返す生き物であるのに対し、犬の睡眠は基本的に浅いといわれています。質のよい睡眠をとれなければ、犬は1日の体力を回復できず、健康に関わる可能性もあります。質のよい睡眠のためには、安心できて快適な寝る場所=寝床を用意することが大切です。
犬の睡眠時間はどれくらい?
犬の睡眠時間はどのくらい必要なのでしょうか。ここでは、犬の適切な睡眠時間について、成長具合別に解説します。
子犬の睡眠時間は18~19時間
子犬の段階で必要な睡眠時間は18~19時間です。1日のうち3分の2以上は寝ていることになりますが、しっかり寝ておかなければ成長に影響する可能性もあります。子犬の間は、できるだけ眠りやすい環境を作ってあげるようにしましょう。
成犬の睡眠時間はおよそ12時間
大人になった成犬に必要な睡眠時間は約12時間です。健康を維持していくためには、半日くらい寝る必要があります。ただし個体差や環境の違いによって差があります。自分の犬は普段どの程度眠っているのかを観察し、眠れていないようならケアしてあげるとよいでしょう。
シニア犬の睡眠時間は18~19時間
年齢を重ねたシニア犬に必要な睡眠時間は18~19時間です。歳をとると寝床で長い時間を過ごすことになります。歳をとった犬に豊かな生活を送ってもらうには、より快適な寝床を作ることが重要です。
犬の寝る場所【寝床】を作る8つのポイント
犬の寝る場所【寝床】を作るには、どのような点に注目すればよいでしょうか。ここでは8つのポイントを解説します。
光を入りにくくする
寝床に光が入りすぎると、良質な睡眠がとれないのは人間も犬も同様です。特に犬は暗い巣穴で生活してきた動物のため、寝床は薄暗い場所がよいです。おすすめは「クレート」と呼ばれるハウスです。クレートは全体的に囲われているため、安心感を得られます。体勢を変えることができるように、犬がクレートの中で一周できるくらいの広さがあるのが理想です。
ケージを使う場合は、布などで覆って光を遮る工夫をするとよいでしょう。
適度な広さにする
寝床の広さも重要なポイントです。クレートの広さは、犬が中で体勢を変えやすい程度の広さが必要です。クレートの高さは、犬の体高プラス5cm程度が理想です。奥行きは伏せたときの体長と同程度あればよいでしょう。適度な広さにすることで、犬がお座りや伏せ、方向転換などをしやすくなり、ストレスなく過ごすことができるでしょう。
トイレと場所を離す
寝床をトイレから離しておくことも大切です。犬はきれい好きな動物のため、トイレのそばだと快適に眠れません。これも、かつて犬が巣穴に住んでいたときの習性のひとつです。薄暗い巣穴で排泄をすると菌や虫が湧いてしまうため、外で排泄をする習性が生まれたとされています。犬が快適に眠れるように、寝床はトイレから離しておくことが大切です。
落ち着ける場所に設置する
人間と同じく、犬も人の行き来が多いところでは落ち着いて眠れません。犬の寝床を作る際は、落ち着きのよい場所に作りましょう。ドアの近くやテレビの近くなど、人が行ったり来たりする場所や騒がしい場所は避けます。リビングの隅など、犬が落ち着ける場所に寝床を作ってあげると、快適に眠ることができるでしょう。
大型犬やシニア犬はベッドがあると安心
大型犬やシニア犬には、ベッドを作ってあげると安心です。大型犬は身体が大きい分、体重が重く、体に負荷がかかります。その負荷は寝ている間も常にかかるので、ベッドで負荷を分散してあげるとよいでしょう。
シニア犬は体重が負荷となり、体力にも影響します。眠る時間も長いので、ベッドを用意して体力消耗や床ずれの予防につなげましょう。
寝床は複数作ってもよい
犬の寝床は、一カ所に限定する必要はありません。メインの寝床のほかに、タオルや毛布などの柔らかいもので落ち着ける場所を作ってあげるのもよいでしょう。寝床を複数作ってあげると、犬がその日に一番落ち着く場所で寝たり休んだりすることができます。
コードや配線がある場所は避ける
犬の寝床を作る際は、コードや配線がある場所は避けましょう。寝ている間に、犬の足にコードが絡まってしまうと、怪我をする可能性があります。また、コードが断線したりプラグが外れたりすると、犬が感電してしまうリスクもあります。安心して眠ってもらうためにも、コードや配線がある場所は避けるようにしましょう。
季節に合わせて寝る場所を作る
季節に合わせて寝る場所を作ると、犬は一年を通して快適な睡眠を得られます。夏の暑い時期や冬の寒い時期など、季節によって寝る場所の環境を整えてあげることが大切です。
夏の寝床のポイント
夏は高温多湿になるため、犬が熱中症になる可能性があります。飼い主さんが寝ているときや外出中でもエアコンはつけておき、犬にとって快適な室温(24~26℃くらい)を保つことが大切です。市販のひんやり感のある夏用シートも有効です。シートは、犬の寝床全体に敷いてあげましょう。
冬の寝床のポイント
犬によっては、自分の被毛で寒さ対策がいらない場合もあります。しかし、温暖な地域の犬であれば寒さが得意というわけでもありません。寒い時期は、毛布やクッションはもちろんのこと、暖房やヒーターマット、ペット用の湯たんぽを用意してあげると安心です。クレートやケージの上から毛布をかけてあげるのもおすすめです。
飼い主さんと一緒に寝る場合の注意点
犬と飼い主さんの寝る場所は別の方がよいといわれていますが、一緒に寝たい飼い主さんも多いでしょう。どのような点に注意すれば犬と一緒に寝られるのか、以下で解説します。
リスクがあることを知っておく
一緒に寝ることは、飼い主さんにとっても犬にとってもリスクがあります。ここでは、それぞれのリスクについて解説します。
飼い主さんのリスク
飼い主さんには二つのリスクが考えられます。ひとつは熟睡できない点です。犬と一緒に寝ると、寝返りが自由に打てなかったり、犬が体勢を変えるたびに眠りから覚めてしまったりして熟睡できない可能性があります。もうひとつが感染症です。高齢者や小さな子ども、妊婦さんは特に注意が必要なため、できるだけ一緒に寝ないようにしましょう。
犬のリスク
犬も熟睡しづらいというリスクを抱えています。飼い主さんが寝返りを打つたびに、犬も起きてしまう可能性があります。また、飼い主さんの寝返りによって押しつぶされるリスクもあります。子犬や小型犬など、身体の小さな犬と一緒に寝る際は注意しましょう。
しつけを徹底する
飼い主さんが犬と一緒に寝るのなら、しつけをしっかり行うことが肝心です。飼い主さんの指示でベッドから降りられるようにすることや、「どいて」と指示すれば場所をどいてくれるようにしつける方法があります。犬がベッドを自分の縄張りと思わないように、コミュニケーションをとっておくと安心です。
自分の寝床でも寝られるようにする
犬が別の場所でも寝られるようにすることもポイントです。飼い主さんと毎日一緒に寝ていると、離れたときに不安になってしまう可能性があります。災害などで避難が必要だったり、はぐれてしまったりしたときに、犬がストレスを感じてしまわないように、毎日一緒に寝るのを避け、別の場所でも寝られるようにしつけておきましょう。
ベッドや布団の環境を整える
犬と一緒に寝るリスクに、飼い主さんが寝ている間に蹴飛ばしたり、つぶしたりしてしまうというものがあります。犬と一緒に寝る場合は、広いベッドを用意しておきましょう。また、ベッド周りに柔らかいマットなどを敷いておくと、犬がベッドから落ちてしまった際にも安心です。
飼い主さんの胸元や頭の上で寝る場合は注意
犬が飼い主さんの胸元や頭の上で寝ようとする場合、注意が必要です。この場合は、飼い主さんと犬の間に主従関係が築けていない可能性があります。一緒に寝る前にしっかりとしつけをして、主従関係を結ぶようにしましょう。犬が飼い主さんの足元で寝ている場合は、主従関係が築けています。
衛生面に注意する
ベッドを清潔に保つなど、衛生面にも注意しましょう。犬と一緒に寝ると、犬の毛やノミ、ダニが寝具につく、犬が粗相をしてしまうといった可能性があります。寝具をこまめに干したり、掃除・洗濯をしたりするなど、衛生面には気をつけましょう。また、洗濯の際は、香料が入っている洗剤や柔軟剤を避けると犬も快適に眠れます。
まとめ
愛犬の健やかな成長にとって、寝床作りは大切な要素のひとつです。飼い主さんは、犬が快適に眠れる環境作りを心がけましょう。犬と一緒に寝たい飼い主さんは、しつけをしっかり行い、お互いの寝心地やリスクに対して万全の態勢をとることが大切です。
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