犬の上手な叱り方とは?|正しい6つの叱り方、やってはいけない叱り方について解説

犬をしつけるとき、叱り方に悩む人も多いでしょう。間違った叱り方は犬にとって悪影響になるため、正しい叱り方を把握する必要があります。この記事では、「怒る」と「叱る」の違いを踏まえたうえで、正しい犬の叱り方や、やってはいけない叱り方について解説します。犬のしつけに悩んでいる人や、これから犬を飼いたい人は、ぜひ参考にしてください。

犬のしつけにおいて知っておきたい「叱る」と「怒る」の違い

叱るとは、犬に対して正しいこととやってはいけないことを教えることを指します。一方、怒るとは、イライラや怒りなどの飼い主さんの感情を犬にぶつけてしまうことです。犬が悪いことをした場合、飼い主さんとしては感情的になることもあるでしょう。しかし、怒りを感情のままに犬にぶつけるのはしつけの面では逆効果です。

犬の叱り方を誤った場合に起こりうること

犬に感情をぶつけて怒鳴る、当たり散らすなど間違った叱り方をすると、犬に多くの悪影響を与えることがあります。犬の叱り方を誤った場合に怒る可能性について解説します。

トラウマとして記憶してしまう

犬にとって刺激となるほど嫌な経験をした場合、犬は学習をとおり越して嫌な記憶のみが残ってしまいます。誤った叱り方は、犬にとって大きな刺激です。誤った叱り方をすることで、犬はなぜ叱られているのかが理解できないだけでなく、犬にとってトラウマとして記憶される可能性もあります。一度植え付けられたトラウマを取り除くのは、とても難しいことです。

飼い主さんにおびえたり不信感をいだいたりするようになる

誤った叱り方によって犬との信頼関係が崩れてしまうこともあります。普段からとてもよい関係を築いているのであれば、一度誤った叱り方をしたくらいで信頼関係は崩れません。

普段から犬に対して怒鳴りつけるなど、誤った叱り方をしている場合、犬にとって飼い主さんは嫌な存在になります。誤った叱り方が、犬が飼い主さんにおびえたり不信感をいだいたりする原因となる可能性もあるでしょう。

叱られたことを理解せず同じことを繰り返す

誤った叱り方では、犬に間違ったことを教えられません。その場の感情だけで怒るなどの誤った叱り方をしても、犬は叱られた理由が理解できないでしょう。感情をぶつける叱り方では、その場はやってほしくないことを止められてもまた同じことを繰り返す可能性があります。犬によっては同じことを繰り返すだけでなく、問題行動に発展する恐れもあります。

犬の叱り方|7つの正しい方法を紹介

正しいしつけをするためにも、犬は正しい方法で叱ることが重要です。犬の上手なしつけにもつながる、正しい7つの叱り方を紹介します。

短い単語で叱る

犬は人間の話している内容をすべて理解できるわけではありません。犬にも伝わりやすく、理解しやすい言葉で叱るようにしましょう。「ダメ」「ノー」など、短い言葉を低い声で言うことがポイントです。犬が怒っているときの唸り声と同じトーンで叱ることで、犬も叱られていると理解できます。

犬にプレッシャーをかけるために、飼い主さんは立ったまま見下ろして叱るようにしましょう。

無視する

犬が悪いことやいたずらをするときは、飼い主さんに構ってほしいときです。悪さやいたずらに対して叱ってしまうと、「構ってもらっている」と誤学習してしまうため、無視が効果的です。

無視する場合は、犬に話しかけない、触らない、目を合わせないようにします。飼い主さんひとりだけでなく、その場にいる人全員が同じように犬を無視しましょう。時間としては15~30分が目安です。犬がしょんぼりしたり、構ってほしそうにしたりしていても無視します。時間が過ぎたら命令をひとつだし、うまくできたらたくさんほめてあげて、無視は終了です。

感情任せにならないことを意識する

感情任せに叱ってしまうと、犬はなぜ叱られたかが理解できないためしつけになりません。トラウマになってしまうなどの悪影響もあります。イライラする気持ちを抑えて、冷静になって叱るように意識しましょう。

叱る強さは調整する

叱る強さは、強すぎても弱すぎても効果がありません。叱る強さの目安になるのが、犬のボディランゲージです。犬の様子を確認しながら適度な強度で叱りましょう。耳が後ろに大きく垂れ下がっている、ふるえているときには強すぎ、平然としているときは弱すぎます。目安となるのが、適度にアイコンタクトをしたり、少し尻尾を振っていたりする状態です。

犬種によっても叱る強さの調節が必要です。チワワやトイプードルなどの小型犬は、ストレスで体調不良になってしまうため、叱り過ぎに注意してください。テリア系の犬は叱られても平然としているため、少し強めの言葉で叱りましょう。

適切なタイミングで叱る

叱るタイミングとして適切なのが、犬がやってはいけないことをした瞬間です。いたずらや粗相などをしたら、すぐに叱るようにしましょう。犬が自分の行動と結果を関連付けられるようになります。逆に、トイレ以外のところで粗相をしてしまった場合、帰宅後に叱ったとしても犬の行動と叱るタイミングがずれているときは、効果が出ません。

繰り返し叱る

同じ行動を繰り返した場合でも、面倒がらずその都度繰り返し叱るようにしましょう。繰り返し叱ることで、犬はやってはいけないことを早く学習できるようになります。犬の行動をよく観察し、やってほしくないことをしたらすぐに叱る、繰り返し叱ることを意識しましょう。

叱ったあとは褒める

犬が悪いことをすれば叱る必要がありますが、必ず最後は褒めて終わるようにしましょう。叱った後になにか命令や指示を出し、よくできたら褒めてあげます。叱ったことでトイレがうまくできるようになったなど、結果が出たときにも褒めてあげましょう。

褒めることで、犬は叱られて嫌な気持ちから気分転換ができます。飼い主さんとの仲直りにもなるため、叱っても信頼関係を保つことができます。

褒め方のコツ

しつけや指示がうまくできたときなどは、大げさに褒めてあげましょう。飼い主さんが大きくリアクションして褒めることで、犬は自分が褒められていると認識できます。大きな声で褒めたり子供や赤ちゃんに話しかけるときのように甲高い声で褒めたりするのが有効です。ご褒美として、おやつをあげるのもよいでしょう。

犬のしつけにおいてやってはいけない叱り方

犬を叱る際にやってはいけない行動をしてしまうとしつけになりません。ここでは犬のしつけでやってはいけない叱り方について解説します。

マズルを掴んで叱る

犬のマズルを掴んで叱ると、犬に対して大きな恐怖心を与えてしまいます。また、マズルを掴むことで犬の舌を挟んでしまい、痛みによる自己防衛から飼い主さんを噛んでしまうこともあります。以前は推奨されていた叱り方ですが、現在はマズルを掴んで叱る方法は厳禁とされています。犬も飼い主さんもケガをしてしまう可能性があるため、避けましょう。

体罰を与えて叱る

犬をたたく、蹴るなどの体罰は、しつけに必要ない場合がほとんどです。犬に対して恐怖心を与えるだけで、しつけになりません。手を振り上げるなどの、体罰をあたえる「ふり」をするのも同様です。恐怖で犬の行動を止めることになり、飼い主さんとの信頼関係が壊れてしまう可能性があるため、やめましょう。

愛犬の名前を呼びながら叱る

犬は人間の言葉を理解できません。実際に犬自身が体験したことと言葉を結び付けて理解します。愛犬の名前を呼びながら叱ってしまうと、愛犬の名前=嫌なこと、叱られる前触れ、と誤学習してしまいます。

愛犬の名前は、叱るなどのネガティブなときではなく、褒めるなどのポジティブなときに呼ぶようにしましょう。愛犬の名前=うれしいことが起きる前触れと理解させることで、呼び戻しなどのトレーニングにも使えます。

必要以上に叱る

必要以上に叱ってしまうと、犬の心身に大きな負担がかかります。ストレスから犬が体調不良を起したり、飼い主さんとの関係を悪化させたりする原因となるため、必要以上に叱ることはやめましょう。

しつけで改善できない場合でも、叱り続けるのは効果的ではありません。しつけの悩みが改善しないときは、家庭犬のドッグトレーナーに相談してみましょう。

犬を叱るだけじゃない|飼い主さんができるしつけの工夫

しつけに役立つ工夫を覚えておけば、犬を叱る回数もぐっと減らせます。ここでは飼い主さんができるしつけの工夫について解説します。

叱る前に犬や自身の体調を確認する

愛犬が粗相などいつもしないような失敗をした場合、体調を崩している場合があります。叱る前に、唸るなどの体調不良のサインがでていないか、様子がおかしいところがないかをチェックしましょう。

飼い主さん自身も、コンディションによってはイライラしたり、気が短くなったりします。犬に八つ当たりで叱らないように、睡眠不足や疲れているときなどは気を付けましょう。

犬がいたずらする要因をつきとめる

犬がいたずらする場合は必ず原因があります。叱る前に、なぜ犬はこんなことをしたのかの原因を考えてみましょう。犬がいたずらした原因が、飼い主さん側にある可能性もあります。触ってほしくないものは犬の手の届かないところに置く、家具を動かすなど、いたずらの原因を排除しておくことも重要です。

犬が叱られないように行動するための手助け

犬が叱られないようにサポートしてあげることも有効です。粗相をしないようトイレは常に清潔にしておく、甘噛みしないように噛めるおもちゃを用意しておく、など準備しておきましょう。犬がストレスをためないように、運動や遊びの時間を増やすのも有効です。

叱るだけでなく、褒める機会を増やして犬のモチベーションを上げるのもよいでしょう。叱ったあとは何か指示を出し、褒めて終わるようにすることも重要です。

まとめ

犬に感情をぶつけたり、体罰を与えたりするなど間違った叱り方は逆効果です。怒るのではなく叱ることを意識し、正しい叱り方でしつけに活かしましょう。叱る前に、犬や自身の体調を確認したうえで、叱る原因を取り除くことで必要以上に愛犬を叱るのを防げます。

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