犬が飼い主さんの後をついてくる理由とは
犬が飼い主さんについてくる行動の理由は、主に愛情表現、要求、本能、環境の変化、不安感の5つに分けられます。以下で詳しく解説します。
愛情表現・甘え
愛犬が飼い主さんに対して愛情を表現していたり、甘えたがっていたりする場合、飼い主さんの後をついてくることがよくあります。飼い主さんへの深い愛情や信頼の表れといえるでしょう。過度の甘やかしや問題行動をしない、問題のない行動です。
逆に、過度に甘やかしている場合や、問題行動をともなっている場合は愛犬が飼い主さんに強く依存している可能性があるため注意が必要です。詳しくは、以下の「不安感やさびしさからくる後追い」を参照して、対応しましょう。
要求がある
飼い主さんに向けて何か要求があるときも、愛犬は後をついてくることがあります。「おやつが欲しい」「一緒に遊んで欲しい」「散歩に行きたい」「かまって欲しい」「トイレに連れて行って欲しい」など、愛犬が求めている要求を上手く見極めて対応してあげると、より信頼関係が築けるでしょう。
動物の本能
今はペットとして人間と暮らしている犬が多いですが、昔は群れをなして行動する野生動物でした。そのため、野生動物時代の習性が残っていて、後をついてくる行動につながっている可能性もあります。この場合、飼い主さんを群れの仲間として認識しているといえるでしょう。ただし、逃げるものを追っているという理由で後ろをついてきている可能性もあります。
引っ越しや旅行など環境の変化
愛犬と一緒に旅行や引っ越しをして、いつもと違う場所にいる場合、どこに行くにも常に後追いをしてくる場合があります。これは、環境の変化によるもので、周囲の様子をうかがっている状態といえるでしょう。
不安感や寂しさからくる後追い
飼い主さんがいないと不安になり、離れられないなど依存状態にある場合、不安や寂しさが理由で後追いをする場合があります。依存状態は人間と生活する上で問題があるため、早めに解決しておきたいケースです。
愛犬が、初めてみたものや場所に対する不安、信頼する飼い主さんが一緒にいないことに対する不安を抱えている場合に、依存につながるケースがあります。過度に後追いをする場合は「分離不安症」の可能性もあります(「分離不安症」の症状に過度な後追いがある)。後の項を参考に対応してください。
愛犬の不安感を解消するための方法
愛犬の不安感を解消すれば、後述する「分離不安症」対策にもなります。ここでは愛犬の不安を解消する方法を紹介しますが、症状が過度な場合は病院にいきましょう。
自立を促す行動をする
自立を促す行動をとることで、独りでいることに慣れさせることができます。部屋で一緒にいるときもある程度距離をとってみたり、ついてきても無視したりするなど、構い過ぎないことで、愛犬は自立心を育てていくことができます。また、家に帰ってきたときも、寄ってきた愛犬に対して「偉かったね」などと構うのも控えましょう。
過度に甘やかすことは愛犬のためにならないため、自立できるように育ててあげてください。
留守番に慣れさせる(独りでいる時間を少しずつ長くしていく)
独りでいることに慣れさせるために、留守番させるのも有効です。慣れてくれば、愛犬は独りでいても不安に感じにくくなるでしょう。しかし、いきなり長時間、留守番させると大きなストレスを与えてしまうため、注意が必要です。最初は1〜2分だけ留守番させてみて、慣れてきたら10分、20分、30分と、徐々に時間を増やしていくといいでしょう。
不安でストレスを与えてしまうようなら、時間を短くしてもう少し慣れさせるなど、個性に合わせてトレーニングしてください。
「待て」のトレーニングをする
「待て」のトレーニングも有効です。愛犬が何かして欲しいときに、いったん「待て」の指示を出し、従わなければ構ってあげないことで、自由ではないということを学習してもらいます。独りでいるときの不安の解消だけでなく、社会性や自立心を育てることに関わってくるため、愛犬のためにもしっかりとしつけてあげるようにしてください。
社会性を養う(社会化させる)
飼い主さん以外の人間と会わない場合や、ほかの犬との接触がないなど社会性が乏しい犬ほど不安を覚えることが多いため、社会性を身につけることが重要です。具体的には、ドッグランなど人や犬が集まる場所に行って遊ばせたり、飼い主さん以外の人間とのふれあいを積極的に行ったりすると、社会性を養うことができるでしょう。
散歩コースを人とふれあえるようなコースに変えてみることが有効です。
出かけるふりをする、クレートトレーニングをする
上述した「留守番させる」が難しい場合、出かけるフリをしてみるのもいいでしょう。留守番させたくても、飼い主さんが実際に外に出かけてしまうと、部屋を荒らすなどの問題行動をしてしまう犬に有効です。慣れてきたら、出かけるフリをする際にクレートに入れるクセをつけると、より安心感を得ることができます。
クレートトレーニングをすると、初めのうちはクレートに入ることすら不安がっていた愛犬も、慣れてくると出かけるフリをするだけで自分からクレートに入るようになります。
愛犬に構いすぎないようにする
愛犬に構いすぎると、構ってくれる人がいなくなったときに不安を感じてしまうことが多いです。そのため「構って」とアピールしてきても無視するなど、構いすぎないことが大切です。あまり構わないようにすることで、犬は自然に自立心を育んでいき、不安症を防ぐことができます。
犬が後追いしやすい年齢がある
犬が後追いをしやすい年齢があります。ここでは、犬が後追いをしやすい年齢の時期をふたつご紹介します。
不安感を抱きやすい子犬時期と老犬期に多い
犬の後追い行動は、どんな年齢でも起こりやすいというわけではありません。後追い行動を起こしやすくなる年齢は、子犬の時期と老犬の時期です。以下の項で、それぞれの特徴を詳しく解説します。
子犬時期の後追いの特徴
子犬期は後追い行動が起こりやすい最初の時期です。子犬にとって飼い主さんは自分に愛情を注いでくれる親のような存在です。そのような飼い主さんと離れることで、寂しさからくる不安に襲われるため、後追い行動を起こします。このままでは成長が難しくなるため、子犬が社会化する時期には、飼い主さんから離れるための訓練が必要になるでしょう。
老犬時期の後追いの特徴
老犬期もまた、後追い行動が多くなる時期です。特に、「耳が聴こえなくなる」「目が悪くなる」などの症状が出てくると、一段と甘えん坊になってしまい、そばから離れたがらなくなる傾向があります。シニアになるにつれ、自分を守ってくれる存在である飼い主さんのそばを離れなくなる犬が多くなります。
犬の異常な後追いが心配な場合は「分離不安症」かどうか様子をみる
異常な後追い行動が心配な場合、「分離不安症」なのかどうかを見極める必要があります。以下で分離不安症について詳しく解説します。
分離不安症とは
分離不安症とは、飼い主さんの姿がみえなくなると、落ち着かなくなり、鳴いたり吠えたりするようになる症状をいいます。酷くなると、部屋を荒らしたり別の場所で排泄したり、自傷行動を起こす可能性があるため、放っておくと危険です。精神的なストレスから別の病気になってしまうケースもあります。
分離不安症の兆候は、後追いのほかにも、
- 飼い主さんが帰宅したとき、激しく興奮する
- 出かける準備を始めると、落ち着かなくなる
などがあります。これらの症状がみられた場合、分離不安症かその一歩手前まできている可能性があるため、病院に相談してみるといいでしょう。
分離不安症になってしまう原因
分離不安症の大きな原因としては、「社会化が上手くいっていないこと」が挙げられます。あまり散歩していなかったり、散歩していてもほかの人間や犬とふれあう機会がなかったりすると、飼い主離れができずに分離不安症の原因のひとつになってしまうのです。
過剰に可愛がったり、構ってあげたりした場合も、飼い主さんに依存状態になり、分離不安が発症してしまいます。また、分離不安の兆候がまったく無かったにもかかわらず、症状が起きたときには、飼い主さんがいないときにとても怖い経験をした可能性が考えられます。
分離不安症の対策
分離不安症の兆候がみられた場合の対策を以下で紹介します。愛犬が分離不安症かなと思ったら参考にしてください
不安感を取り除く
愛犬が不安に感じることを取り除いてあげることが何より肝心です。犬は初めてみるものや環境に対して不安を感じます。このようなときは飼い主さんが一緒にいるようにすることで、不安を感じないようにしてあげましょう。社会化の訓練は環境に慣れ、不安がなくなってからがいいでしょう。
分離不安症の治療方法
後追いがひどい場合や、先述した分離不安症の兆候がみられるようなら、動物病院に相談するのがおすすめです。分離不安症の治療は、薬物による治療を行う可能性があるため自己判断で行うことができません。また、通院と並行して社会化のトレーニングを行うようにすると、より効果的です。トレーニングも相談しながら行うとよいでしょう。
まとめ
愛犬の後追い行動は、構って欲しいなどの要求のほかに、不安からくる行動の可能性もあります。後追いが異常な場合、分離不安症の可能性があるため、子犬のうちに社会化のトレーニングを行うといいでしょう。愛犬が心地よく生活するためにはフロアコーティングがおすすめです。
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